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2013

おたずねポスト第7回 CRMSに聞いてみよう(No.2) : セシウムだけ測定している厚労省の食品中の放射能測定の発表は、内部被曝を避ける指針になりますか。

ゲルマニウム半導体測定器(写真はキャンベラ社製)
ゲルマニウム半導体測定器(写真はキャンベラ社製)

しばらくぶりの更新になりました「おたずねポスト」第7回。今回は「CRMSに聞いてみよう」です。「放射能から子どもたちを守る世界ネットワーク」のメンバーも、原発事故後の様々な情報、とくに放射能の測定に関する話題には敏感になっています。しかし、「放射能測定」といってもいまいちよくわからないところがたくさんあります。福島市にある市民放射能測定所CRMSの岩田氏に、ゲルマニウム半導体測定器(注)を使った測定に関して質問しました。

 

(注)ゲルマニウム半導体測定器の機械の説明は、以下のサイトなどをご覧下さい。

Wikipedia

★日本の環境放射能と放射線(公益財団法人 日本分析センター※)ウェブサイト

http://www.kankyo-hoshano.go.jp/kl_db/servlet/com_s_index

内部にある環境放射能用語集にゲルマニウム半導体測定器の説明があります。

 

※環境放射能/放射線に関する分析専門機関として1974年に設立。上記ホームページは,原子力規制庁の委託により日本分析センターが運営管理している(日本分析センターHPより)

質問

 

ゲルマニウム半導体測定器はガンマ線を測定する放射線測定器であり、人体により大きな影響があると言われるベータ線、アルファ線は基本的に測定できないと聞いています。そうしますと、ゲルマニウム半導体測定器で測定したセシウム(ガンマ線)の数値(ベクレル/kg)だけを見て、それだけの核種(放射線)があると思うのは正しくないですよね。ある食品からセシウム(ガンマ線)が検出されれば、測定されていなくても、当然ベータ線のみを出す核種やアルファ線のみを出す核種(ベータ線)なども出ているので、実際の放射線量はずっと多いことになります。ということは(ガンマ線を出す)セシウムだけの測定値を発表している厚労省のデータは、内部被曝を避けるための指にはならないのではないでしょうか?

回答

厚労省のデータが全く指針にならないとは言えないと思います。また厚労省のデータさえみておけば大丈夫とも言えません。

 

海産物に関してはなかなかコメントがしづらいものがあります。これまで測定してきたものが、圧倒的に陸域のものであるからです。

福島原発事故の影響地域での土壌のベータ線とガンマ線を出すセシウムとベータ線のみを出すストロンチウムの比は、多くて 1:1/300、平均的には 1: 1/1000 です。

ちなみにチェルノブイリでのセシウムとストロンチウムの比は、土壌でおおよそ 1:1/4 です。ストロンチウムが結構多いのです。

 

ストロンチウムがセシウムの300分の1から1000分の1であるということが大体わかっているので、セシウムを測定して不検出(検出限界を確認してください)であれば、ストロンチウムはコンマ以下、あるいはミリベクレルオーダーとなりますので、人体への影響はセシウムのほうが大きいと見積もることができます。(但し、食品への移行係数や積算値は作物によって異なるので、注意!!カルシウムを多く含む作物が一般的に、移行が高いと考えられている。)

  

しかしストロンチウムは水溶性であるので、水に溶けます。海洋への汚染水の流出、また生物濃縮を考えると、比率が陸域とは異なるのは当然です。ですが、セシウムの量を上回る段階にあるかというと、それは今の段階ではまだないのではないだろうか?と思います。もちろん今後はわかりません。

 

確かにストロンチウムのデータは雀の涙ほどしかないので、まだ予断を許さないものがありますが、

以上のことを前提に、厚労省のデータでさえ、内部被ばくを低減するために使用する方法があるかと思います。

 

ストロンチウム90の測定には検体前処理後、最低2週間かかりますが、ガンマ線測定は比較的簡単です。

ですのでセシウムが検出された数値、あるいは不検出であるかを基にセシウムとストロンチウムの比率から摂取量を推定すること。

(不検出とある場合は、必ず、検出限界を確認してください。検出限界10Bq/kgとあれば、0~9.99Bq/kgの間ということになります。)

 

ゲルマニウム半導体検出器や他の食品測定器で測定する値は、Bq/kg (ベクレル/kg)という単位であらわされ、これは放射能量です。ちなみに、放射線量は(人体への影響は)Sv (シーベルト)という単位であらわされます。

 

セシウム137を例えにご説明します。

 

・ガンマ線測定では、セシウム137の量が測定できます。

・セシウム137は(134も)、ベータ崩壊をして(ベータ線をだして)、Ba137mという物質に変わります。

・最後にあるmとは、励起状態(エネルギーが余ったような状態)で、85%はガンマ線をだします。

・Ba137mから、ガンマ線をだして、Ba137という物質になり安定します。(これはもう放射線をだしません。)

・これが1秒間に1回起こることを、1ベクレルと表します。(ベータ線を出し、そのうち85%がガンマ線をだす)

・セシウムの量を知ることで、セシウムから放出される放射線(ベータ+ガンマ)による人体へのダメージを推測することができます。

 

*ベクレルからシーベルトへと変換する係数には、様々なモデルがあり、ICRPモデルは過小評価していると言う見解もあります。

*またこれとは別に、セシウムという物質が体内でどのように動き、どの臓器に溜まりやすいかということについては、色々と説があります。

*ICRPや日本の学者の中には、セシウムは体に均一にあると考えている人々がいますが、これには異論も多いです。

 

・それに対して、ストロンチウム90は、ベータ線しかださないので、ガンマ線測定では検出できません。

・また、ストロンチウム90の娘核種であるイットリウム90のベータ線のエネルギーはセシウムのベータ線のエネルギーに比べるととても大きいです。http://www.mikage.to/radiation/beta_range.html

 

 *さらにストロンチウムはカルシウムと体内動態が似ているので、骨に溜まりやすく、局部的に大きいダメージを与えます。

 

土壌でのセシウムとストロンチウムの比率がざっと1000分の1で、ストロンチウムとプルトニウムの比率がざっと1000分の1と考えられています(あくまで2011年の爆発の影響によるもの。平均的な値と考えてください。必ずこの比率であるということではありません。)

 

ですから、セシウムの量を参考にすることは、内部被ばくのリスクを低減する目安に十分なると考えています。しかし、繰り返しますが、海産物については別です。またこれから生物濃縮も進んでいくと思うので、注視していかなければならないのは確かです。

 

 

 

(電子メールでの質問と回答を、WNSCRスタッフが構成し直しました)

 

おたずねポスト 「CRMSに聞いてみよう No.1」はこちら

おたずねポスト バックナンバーはこちら

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Comments: 1
  • #1

    Dick (Tuesday, 14 January 2014 13:42)

    Sir:

    MT Keshe was interviewed by Project Camelot regarding his method of reducing radioactive contamination. He plans to conduct seminars throughout Japan this month. If you have interest in attending his seminar in Japan, contact the MT Keshe Foundation.
    Link to the inview : http://www.youtube.com/watch?v=guRYnHxh0qU (Preview)

    Also, Radha Roy discovered decades ago how to neutralize radioactive contamination. His process, called the Radha Roy Process is well known to the nuclear industry as well to the Japanese government but it has never been used…for some reason – too easy and too inexpensive.
    Link: http://www.litalee.com/shopexd.asp?id=478
    This information should go out to the various environmental and activists organizations in Japan. The Japanese government is conducting genocide on the Japanese people by knowingly withholding the implementation of this technology.
    I understand water in Tokyo will soon be contaminated with radiation, if it has not already happened.

    Dick